個人再生に至るまでのお話 第2話 ~転職、増えるキャッシング~
さて前回は第1話として、初めてのキャッシングのお話をしました。
今回は、さらに借金を重ねていったお話をしたいと思います。
転職して安定した生活…のはずが。
非常勤職員として30万円の借金をこさえてその日暮らしをしていた私にも転機が訪れます。そう「転職」です!
同じ職種で、雇用がある話を聞き、話を聞きに行ったところ、とんとん拍子で採用されることに。しかも夢の正規雇用です。
提示された金額は、26万円ほど、そこから保険や税金を引かれると20万弱。
それても月15万円の暮らしに比べたら天国です。
しかも昇給も賞与もあり。さらにさらに寮完備のため家賃は5000円!最高の環境です。
これまで家賃の占める割合がかなり大きく、負担となっていましたが、それが解消されます。
これだけもらえたら、30万円のキャッシングだってすぐに返せてしまいます。
当時の私は、正規雇用を切っ掛けに、借金生活からおさらばして真っ当な生活を送る気でいました。
でも…一度お金を借りることを覚えてしまった人間は、そう簡単には日常に戻ることができないのです。
収入が増えたのにお金が残らない
誰もが経験があることではないでしょうか?
収入が増えたのに、その加増された分のお金が手元に残らないなんてことを…
人間というものは生活水準が上がるとなかなか下げることができないもので、月15万円であればそれ相応の生活をしますが、月20万円になったからと言って5万円の余裕が出るものではありません。
そう…月20万円分の生活水準へと変貌するのです。
私もそうでした。手元に5万円の余裕があるはずなのに、余ることがありません。むしろ賞与があるため、それを目当てに金遣いが荒くなります。
食費も気にすることもなくなり、ギャンブルにも拍車がかかります。
だってお金が足りなくなっても何とかなることを知っているからです。
そう…キャッシングです。
当時、収入が増えたためクレジットカードを作りキャッシングを枠を増やしていたのです。
以前に、キャッシングしたカードの限度額同様30万円。
無論、前の30万円は返済しきっていません。
二つのカードの合計で60万円もの大金を借りる…いや当時の私は60万円は自分のお金であると考えていました。
客観的に見たら「それは借金だろ」と思うでしょうが、借金を重ねる人の思考回路は「借金=自分のお金」と捉えているのです。
だから借りることに何の躊躇もありません。
下手に収入が増えた分、散財することも多くなり、日々の生活費もキャッシングで賄うことが多くなってきました。
ついに限度額マックスまで借りる
そんな日々を送る中、多少は「このままだとまずいな」という気持ちもあり、賞与で少し多めに返済していましたが、手持ちのお金が減ることが嫌でとりあえず月の返済額だけでちゃんと返済している気分になっていました。
借金癖がある人は、返すことを嫌がります。普通は返済するのが当たり前なのですが、その当り前ができないのです。だから借金が増えていくのです。
勿論、当時利息のことや元金がどれほど返せているのかなんて考える頭はありません。
決められた最少額だけ返しても、借金自体が大幅に減るわけがないのに…
完全に堕落した日々を送りながら、お金が無くなればキャッシング。少し返済してはまた借りる。そんな生活繰り返していけば、行き着く先は決まっています。
そう限度額マックスまで借入をしてしまいました。
60万円もの借金をこさえてしまい、月の返済は2万円超。しかもそれだけ返しても利息分があるので元金が減りません。
月20万円の生活水準を送っていた私に、月2万の返済は大変重たいものとなりました。
無論、キャシングに加えてショッピングもリボ払いを連発しており、すでに50万円の限度額に達していました。
そう…この時点で110万円もの借金を抱えてしまいました。
困りに困った私が次にとった行動は、さらに現状を悪くする最悪の一手でした。
〜第3話に続く〜